金継の工程
レジン調合 漆の代用
主剤と硬化剤を2:1の割合で正確にを配合。
計量スプーン(中)に主剤:1gを入れる。
硬化剤:0.5g(主剤の50%)を注ぎ足す。
硬化不良にならないよう正確に計量する。
箆(ヘラ)を使い混合・撹拌を5分間行う。
均一にムラなく混合・撹拌を行う。
箆に付いた樹脂も容器フチでこすり取り再度撹拌。
漆の同等を合成で作ります。割れた部分の接着や金銀蒔絵の下地となる樹脂を調合します。
レジンのメーカーが説明書などに表記している配合比で0.01単位の秤を使い調合します。
撹拌するスピードは個人差がありますが、大体5分ぐらいは主剤・硬化剤を良く混ぜます。
撹拌が不完全ですと硬化不良等の原因になりますし、エポキシ樹脂の毒性の問題にもなります。
組立_破損した器物の復元
割れた部分の組立
隙間無くしっかり合わせ瞬間接着材で仮止めする。
瞬間接着材は出来る限り少なめに。
瞬間接着材を熱と風で乾かし固める。
やり直しは効かないので組立順番を先に決める。
良く乾かし、次のレジンの流し込みに備える。
まず注意点から、破損した部分の破片どうしをむやみに合わせようとはしないで下さい。むやみに合わせようとすると陶磁器の上薬の硝子質部分がメカケ(小さく欠ける)を起こし傷自体が大きくなり金継(金を蒔く)部分も大きくなります。
破片部分を古い歯ブラシ等で汚れやホコリ・小さな破片粉などを取り除いておきます。直接手で触るとガラス面でけがをする可能性がありますので注意して下さい。
組み立てる順番が重要ですのでよく考えて順番を決めて下さい。動画では瞬間接着剤を使っていますがやり直しがきかないので順番が重要ですが、瞬間接着剤を使わずセロテープや輪ゴム・紐などで固定する方法はやり直しがききます。
破損面同士を合わせて瞬間接着剤で仮止めし固定します。接着材は出来るだけ少なめで少量の一滴を2箇所ぐらい垂らします。瞬間接着剤よりもレジンの方が結合力や従属性などレジンの方が優れているため後に流し込むレジンを多く接着面に着くようにするためです。
破片を接着し終えたらドライヤーなどで熱と風で接着材を固めます。
流し込み_接着部分にレジンを
レジンを接着部分の隙間に流し込む。
爪楊枝や針先を使いレジンを一滴ずつ流し込む。
接着部分だけで無くヒビやヒキなどにも入れる。
破片が無い空洞の面もレジンを塗る。
空洞の部分にセメント混合レジンを埋め込む。
接着部分でもへこんだ部分にも埋め込む。
指先に水を付けレジンの表面を滑らかにする。
接地面・接着部分・ヒキやヒビ・空洞の部分にレジンを流し込みます。
接着部分などに流し込むときは一滴ずつ針先を使って流し込みますが、浸透しなくなるまで重ねて液を付けるような感じです。レジンが浸透すると接着部分が色が少し変わり浸透していることが解ります。
破片が無い空洞の部分は跡でセメント混合レジンを埋め込むため、破損面とセメント混合レジンとかみ合うために混ぜてないレジンを塗っておきます。
破片が無い空洞の部分にセメント混合レジンを埋め込みます。穴の両面より押し込んで隙間が無いよう埋め込みます。
水で指先を塗らし表面を叩くようにすると表面が滑らかになります。ここでは後ほどリューターなどの研磨機を使って仕上げをしますが研磨機が無い場合はこのセメント混合レジンを仕上げをしてフラットにして削らなくて良いようにします。
一日目の作業はここまで、24時間おいて次の作業に移る。
下地の仕上げ_余分なレジンを取り除く
砥石の準備(レジンとセメントを混ぜたもの)
空洞に埋め込んだセメント混合レジンを削り
あたかも破片が有ったように復元する。
流し込んではみ出たレジンを刃物で取る。
不必要な付着したレジンを全て取り除く。
ここの仕上がりが金を蒔いた時につながる。
砥石をフェルトに換えて表面の仕上げ。
レジンの流し込みを経て24時間過ぎるとレジンが固まります。接着部分や空洞を埋め込んだ部分などのレジンが固まり爪を立てても固さが解ります。レジンにセメントを混合したところは研磨機(リューター)などで削り、レジンを流し込んだ所のレジンがはみ出た部分は刃物などで器に傷が付かない程度ではぎ取ります。
器が破損する前の状態に戻すのが目的です。
蒔絵に使うレジン調合
主剤と硬化剤を2:1の割合で正確にを配合。
計量スプーン(中)に主剤:1gを入れる。
硬化剤:0.5g(主剤の50%)を注ぎ足す。
硬化不良にならないよう正確に計量する。
箆(ヘラ)を使い混合・撹拌を5分間行う。
均一にムラなく混合・撹拌を行う。
箆に付いた樹脂も容器フチでこすり取り再度撹拌。
漆の同等を合成で作ります。割れた部分の接着や金銀蒔絵の下地となる樹脂を調合します。
レジンのメーカーが説明書などに表記している配合比で0.01単位の秤を使い調合します。
撹拌するスピードは個人差がありますが、大体5分ぐらいは主剤・硬化剤を良く混ぜます。
撹拌が不完全ですと硬化不良等の原因になりますし、エポキシ樹脂の毒性の問題にもなります。
弁柄混合_レジン+弁柄(第二酸化鉄)
レジン液と弁柄を混合、朱漆同等を作る。
計量スプーン(大)にレジン液を適量(0.9g)移す。
レジン液に弁柄を約3割(ここでは 0.3g)混入。
先の丸い棒で弁柄を擂りつぶしながら混ぜ込む。
弁柄が玉にならないように5分間念入りに練る。
5分間練り終えたら金を蒔く下地の完成。。
いわゆる朱漆同等の朱レジンを作ります。
昔から朱漆は弁柄、黒漆は炭をを使われていました。レジンは漆の代用ですので混合物は同じと考えています。
弁柄・炭とも人体には害の無い鉱物ですので古来より使われていたのでしょう。
またそれらを混ぜ込む事で結合力が増してきますし強度が優れてきます。
混ぜ込む分量はここでは3割程度ですが、多く入れると粘りが出てきますし、少なく入れるとサラサラ感があります。
蒔絵の下地_金を蒔く前の下地
蒔絵の下地(弁柄混合レジン)を塗る。
烏口に朱レジンを流し込みセットする。
朱レジンを接着部分や傷の部分に錬りつぶす。
埋めた所は塗りつぶし接着部分は線書き。
ヒビやヒキの部分も線書きする。
裏面も表面同様に同時に行う。
口縁の部分は最後に行うと書きやすい。
熱を加えてレジンのむらを均一にする。
針先で仕上げをする。
レジンに弁柄を混ぜたもの(朱レジン)で接着部分やセメント混合レジンを埋め込んだ部分などに書き込み及び塗りつぶします。一定の厚みで出来る限り傷の上を塗り傷跡が大きくならないように塗るのがコツです。
本来は細い筆で描いた方が良いのですが、ここではあえて初心者でも細く描くことが出来る烏口を使いました。
烏口とは製図などを描くときに油性で描く時に用いられます。粘りの有る液で書くときに有効です。
線や面など塗りつぶした後ドライヤーなどで暖め凹凸や濃淡などを平坦にします。レジンは熱を加えると粘性が無くなりさらさらになります。あまり暖めすぎると、後の金を蒔くタイミングの時間が変わってきますのでご注意を。
蒔絵下地を乾かす
そもそもレジン(ここで使っているレジン 日新レジン クリスタルレジン)は常温(26度ぐらい)で24時間以上で固まる用に作られている合成樹脂です。
金を蒔く最適なタイミングを計ると常温(26度ぐらい)では3時間後ぐらいですが季節により気温が変わるため作業が困難になります。
一定のタイミングを得るためにはボックスの中で温度を高め条件を一致させることで季節違いでの作業を同じくします。
画像にあるように裸電球で箱の中の温度を高め、約50~60度ぐらいになり、レジンの表面が金を蒔けるぐらいに凝固するのは約45分経過した時間がベストのようです。
そこそこで作業者の環境は違うと思いますが、温度と時間を探し当てる方が良いかと思います。
金粉を蒔く
朱レジンの上に金を蒔く。
筆にたっぷりと金を含ませ筆を叩いて落とす。
余分な金を筆先で軽く掃くように回りにのばす。
満遍なく蒔き残しが無いよう掃いてのばす。
残った余分な金粉は容器に戻す。
温度が約50~60度の箱の中に45分間入れた器を取り出し金を蒔く。
金を蒔く筆だが化粧を行うときに使う化粧筆がよく、毛先が細く毛の本数が多い方が良いようだ。
ここでは広島県の熊野筆化粧筆を使っている。
筆の毛先で金を掃くように朱レジンの上にかぶせ金を蒔く。この時毛先が堅いと朱レジンの表面に傷を付けてしまう。
全体を巻き終えたら余分に残った金粉は容器に戻す。ここでは軽く戻しておく、後にレジンが堅くなって少し強い筆で金粉を戻します。
二日目の作業はここまで、24時間おいて次の作業に移る。
金継ぎの動画およびDVD
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